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Nコン県大会準決勝・決勝!

  • 執筆者の写真: 伊丹西高校放送メディア部
    伊丹西高校放送メディア部
  • 2019年6月17日
  • 読了時間: 11分

更新日:2020年3月15日

6月15日・16日に第66回NHK杯全国高校放送コンテストの兵庫県大会がありました。審査の結果、伊丹西高校放送メディア部は全国大会出場が決まりました!

今回はこの県大会決勝に至るまでの1週間をまとめます。予選からの2週間がどのような日々だったのかを記録する備忘録ですので長くなります。ほどほどにお付き合いください。

6月2日のNコン地区予選終了後、個人部門で入選した3人(のんみん、みこっさん、きーちゃん)の特訓を開始! …と、なるはずだったのですが、なかなかそう上手くはいかず。個人部門の練習場所としてなし崩し的に占拠してきた会議室が前の週から教育実習の控室になっていたため使えなくなっていました。場所を別の教室に移動しましたが会議室の3分の1ほどの広さになってしまいました。また、放送室からすぐ近くだった会議室とは異なり、最も遠くにある教室。さらに文化祭の準備も本格的に始まり平常通りの放課後の活動もままならない状況… テレビドキュメントの最後の取材対象捜索もなかなかうまくいかず… 顧問も放課後は毎日毎日会議の連続でろくに放送室に顔を出すこともできません… ピンチ。

結果として課題原稿対策の練習を始めたのは6月5日(水)からとなりました。


アナウンス部門で入選したのんみんは原稿の手直し。焦る気持ちと過ぎていく時間。納得がいくまで何度も話し合って原稿を固めていきました。

朗読部門の準決勝・決勝は予選よりも規定時間が30秒長くなります。必然と読む文が長くなります。みこっさんは読みたい部分をどう読んでも時間オーバーになります。前を削るか、後ろを削るか… 悩んだ末に後ろの2文をカットし規定時間に収めました。きーちゃんは従来の抽出箇所の前半を付け足しました。予選では規定時間に合わせるため段落の途中の文から読んでいましたがこれで本来読みたかったまとまりのある部分に戻すことができました。


そして、ある重大な決断を部として行いました。6月8日の土曜日を活動をしない完全休養日にすることにしたのです。何週間も休みを取っておらず、平日の帰宅も毎日遅くなっており顧問も部員も疲れていました。休みを取ろう… 

部員にはこう言われました。「先生の身体が心配なんです」。泣きましたね…。

6月9日()

土曜日のお休みの次の日曜日は朝から晩までフルタイムで活動!

休日ですので会議室を練習会場にセッティングし直しました。すでに放送メディア部にとっては会議室はホームのような場所です。


この日はテレビドキュメント制作も重大な局面を迎えました。顧問から6月13日(木)に完成しなければ棄権するという命令を下したのです。この時点で考えている構成に必要な取材ができていません。ミーティングを経て制作代表のソアーが言いました。

「ちょっと考えさせてください…」。

棄権するかしないかの判断を委ねました。

そして、この日は県立伊丹高校のアナウンス部門で県大会に出場する2人が来ることになりました。読みを聞いてください、アドバイスをくださいとのこと。以前にこちらから県立伊丹高校に押しかけて同じことをしてもらっています。快くお引き受けしました。


そして15時が過ぎ、テレビドキュメントの制作についての結論が出ました。

「やるだけやります」

よし! 決まったらとにかく撮ってこい! 暗くなるまでにとにかく行ってこーい! …とばかりに部員たちは校舎の外に行ってしまいました。

その後、個人出場組は会議室に戻り練習再開。県立伊丹高校の2人もやって来て遅くなるまで会議室で練習を重ねました。

ドキュメントの撮影も決めてしまえば仕事ははかどります。面白い映像が撮れたようで放送室ではようやく編集作業が本格的に始まりました。2年生メンバーが積極的に意見を出し合っています。とにかく目指せ! 作品完成!


6月10日()

この日から文化祭に向けて本格的な体育館練習が始まります。体育館の音響装置を設営しました。1年生はクラスごとの合唱練習も本格化。2・3年生もクラスの発表の準備があります。部活動に集中してもいられない状況の中、空いた時間を使っての練習・編集が続きました。


6月12日(水)

この日は何回も学校に来てくれてアナウンス・朗読の指導をしてくれている尼崎小田高校卒業生で現在はフリーで活躍されているなっちゃんが来てくれました。県大会に進んだ3人を心配して、県大会までにもう一度来てくれることになり日程を調整してくれたのです。

ここでのんみんは大きな決断をしました。アナウンス原稿を手直ししていたのですが、元の原稿に戻すことにしたのです。のんみんの良さを引き出すのは最初に読んだ原稿ではないかというなっちゃんの意見を顧問も一緒に聞いて、最後は本人が決断しました。そして、迷いのない真っすぐな明るい読みが帰ってきました。本番まであと3日というギリギリの判断でした。

文化祭のリハーサルを放課後体育館で行いながらの練習です。まともに練習できるのは1時間もありません。時間が短いからこその集中力が必要です。


6月13日(木)

文化祭の前日です。午後からは文化祭の準備。体育館はシートをひいて、パイプ椅子を並べます。音響や映像関係のセッティングも本番に備えた設営を行いました。

どうしてもクラスの準備が中心になってしまいます。部員たちも内心は読み練習や番組編集をしたいはず。しかし、学校行事をしっかりこなしてこその放送メディア部。校内放送活動が活動の基本なのです。

そして、テレビドキュメントができましたとの報告を受けました。実は顧問はここまでほとんど内容をチェックしていません。ほとんど初見という状態でチェックをしました。いくつかナレーションの文言などの修正を指示しました。もう無理かな… とあきらめてかけていたテレビドキュメントですが面白い番組を作ってきました(荒っぽいけど…)。

アナウンス・朗読練習はいよいよ場所がありません。校舎はすべて文化祭の準備に使っているため食堂で練習を実施。すさまじい反響音に苦しみながらも「どんな環境の中でも自分の読みをいつもどおりできるようにする」ことを目標に練習しました。


6月14日(金)

いよいよNコン県大会前日。そして、文化祭1日目。放送メディア部は司会・音響・映像記録の担当です。

目標は「放送メディア部が目立たないこと」

放送メディア部が目立つのはミスをした時です。目立たないことが最高の栄誉なのです。

2・3年生は翌日は準決勝に参加するので文化祭に参加できるのはこの日だけです。2・3年生中心に運営を完璧にこなしてくれました。

開会式終了後は1年生の合唱コンクール。司会進行は1年生部員が手分けして行います。自分のクラスの発表もこなしながら誠実にこなしていました。続いて書道部のステージ発表。放送メディア部は書道部の書道パフォーマンスのサポートを毎年しています。ステージのパフォーマンスの様子をビデオカメラで撮影しそれをステージ下のスクリーンに生中継しているのです。今回のカメラは1年生のあんぼが担当。カメラ撮影も実質上初めてですが見事にサポートしてくれました。

プログラム終了後は翌日のNコン準決勝に向けての最終練習とテレビドキュメントの最終チェック。体育館では1年生中心に文化祭2日目のリハーサルを進めました。

手直しを命じた作品も無事完成。個人練習は図書委員会の発表終了後の図書室で実施しました。翌日に備えて18時30分には終えました。制限がある中、やるだけのことはやりました。


6月15日(土)

ついにやってきましたNHK杯全国高校放送コンテスト兵庫県大会準決勝

文化祭の運営は1年生5人に託し、2年生4人と3年生2人は朝の8時30分に阪急岡本駅に集合しました。

9時からの受付でアナウンスと朗読の3人はネームプレートを受け取りました。番組も提出完了。無事流れてくれることを祈ります。

朗読は37番と41番。80人中の中盤でした。アナウンス部門は70番。顧問はラジオドラマの審査です。この日はなんとずっとサポートしてくれていたなっちゃんが伊丹西高校の3人のサポートのためだけに来てくれました。また、午前中は3カ月前に卒業したひーくんもかけつけてくれて読みのアドバイスをしてくれました。そして、なんとなんと、この4月に異動のため放送部のない高校に転勤となった前副顧問のH先生も修学旅行の引率から帰ってきたばかりだというのにかけつけてくれました。練習会場では昨日の引き続きサポートしてくれた尼崎小田高校卒業生のYくんものんみんの読みを聞いてくれていました。部員たちのこれまでの頑張りを見てきてからこそ応援に来てくれたのでしょう。他にも他校の卒業生たちがたくさん声をかけてくれました。本当にありがとうございました。

準決勝では3人とも魂を込めて読んでくれました。

準決勝終了後、顧問は学校に戻って文化祭の片付けです。15時過ぎに会場の甲南大学を出発しましたが突然の嵐にあいました。横殴りの雨と雷の中、駅へと向かいました。部員たちは濡れた身体を癒すためにも直接自宅へ… 顧問は急いで学校に戻りました。頑張ってくれた1年生に「ありがとう」を言うためだったのですが、顧問が戻った16時40分ごろにはすでに解散していました。

職員室に戻ると先生方から声をかけられました。

「放送メディア部が審査員特別賞ですよ」

2・3年生がいない中、1年生だけで文化祭のステージ発表をサポートする姿が評価されたようです。たくさんの先生が1年生がすごくがんばっていたと褒めてくださいました。


6月16日(日)

そして、運命のNHK杯兵庫県大会決勝です。8時30分の結果発表に備えて8時に阪急岡本駅に集合! 

そして、運命の決勝進出校の発表… アナウンスののんみんが決勝に進出! 残念ながら朗読の2人とテレビドキュメントは入選には届きませんでした。

ラジオドキュメント部門の「いつかの震災」と合わせた2部門での決勝大会となりました。

伊丹西高校にとってNHK杯のアナウンス部門県大会決勝進出は創部以来初めての快挙です。


開会式後はこれまでサポートをしてくださったKiss FM KOBEの永田早紀アナウンサーものんみんの指導をしてくださいました。特に課題原稿のチェックは顧問はほとんどしていません。他の部員たちがアクセントを調べ、永田アナウンサーとともに自然な読み方を練習していました。顧問は決勝はテレビ番組の審査です。審査に入る前にのんみんの読みを聞きました。落ち着いたいい読みでした。あとは自分を信じて楽しんで伝えて来い!


のんみんはエントリー番号は11番。卒業生のひーくんが読みの録音を送ってくれました。審査の休憩時間に聞きました。とっても素敵な読みでした。ラジオドキュメントも無事作品は再生されたという報告を受けました。


そして、すべての発表が終わりました。審査結果の発表です。

アナウンス部門の全国大会出場者にのんみんの名前はありませんでした。奨励賞です。悔しいですがこれはコンテストです。結果は結果として受け入れるしかありません。

そして、ラジオドキュメント部門の優秀で伊丹西高校「いつかの震災」の名が呼ばれました。2年ぶりの全国大会出場が決まりました。 

全国大会に出場することになったこの作品は2年生が中心に制作したものです。しかし、3年生の努力する姿があればこその作品です。チーム伊丹西の作品として1年生も3年生も胸を張って「全国大会出場」を喜んでほしいのです。

個人部門に関しては本気で出場するつもりでした。そのための環境づくりに力を尽くしてきましたし、東京で声優として活躍する先輩にも全国大会に出た時に指導に来てくれるようにすでにお願いもしていました。


今回、思ったのは部活動としての成長です。

5年前の県大会決勝。テレビドキュメント部門であと1点あれば全国大会初出場だったのに誰も泣きませんでした。顧問が一番悔しがっていました。

4年前に初めて全国大会に出場しました。朗読部門1名とラジオドキュメント部門でした。他にも読みが上手な部員はいましたが、表立って悔しがる姿はなく満面の笑みで決勝後のミーティングをしたのを覚えています。

3年前、全国出場を逃しました。当時の部長はしばらく会場で行方不明になりました。見えないところで泣いていました。

2年前、ラジオドキュメント部門で2度目の全国大会出場が決まりました。その時は誰も個人部門で決勝には上がっておらず、悔しがる姿はありませんでした。

去年、全国大会出場を逃した悔しさから泣き叫ぶ姿がミーティングで見られました。本当に泣き叫んでいました。「叫び」でした。

そして、3回目の全国大会を決めた今年。全国大会に出られるのに悔し涙なのです。


伊丹西高校放送メディア部にとって、あの場所は誰かに連れて行ってもらうところではなく、自分の力で行くところになったんです。全国大会という舞台が。


思い起こせば10年前の初めての地区大会。賞状は1枚もありませんでしたが、大会に参加できた喜びで部員も顧問も笑顔で帰りました。

2年目の地区大会。ラジオドラマの佳作で名前が呼ばれガッツポーズで「よっしゃぁ!」と喜ぶ3年生部員の姿がありました。

そんなところから伊丹西高校は再スタートし、これまで活動を10年間続けてきました。

素直に喜ぶ姿が見られないことに複雑な気持ちにもなりますが、そんな過程を知っているからこその嬉しさも感じるのです。


今回、そんな葛藤をみんなそれぞれ抱えて東京に行きます。

東京にはいろんな情熱がつまった作品や読みが集まってきます。

どんなに複雑な思いがあったとしてもその情熱に触れることは今後の夢や目標に進んでいくための力になるはずです。


伊丹西高校放送メディア部は胸を張って全国大会に参加したいと思います。

2 Comments


yu-yusan
Jun 17, 2019

今回、決勝に進めた人、残念ながらそこまでに至らなかった人、想いはさまざまだと思いますが、 顧問の先生の言葉・・・「あの場所は誰かに連れて行ってもらうところではなく、自分の力で行くところになったんです 」そして、皆さんが流した「 悔し涙」、これこそが本当の意味で皆さんが手にした尊いこころに残る宝物ではないでしょうか。

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yu-yusan
Jun 17, 2019

全国大会出場おめでとうございます。部員全員が力をあわせ、掴みとった栄冠に心からの賛辞と全国大会での活躍を祈ります。みんな素晴らしい!!!!やったね!!!!!

そして、このような素晴らしい生徒の皆さんを導き、超多忙な中でも、大業をなしとげ、夢と目標をもって活動することを示し続け、体現しつづける顧問の尾崎先生に敬意と感謝の気持ちを表します。

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