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平成27年度第62回NHK杯全国高校放送コンテスト全国大会

平成27年(2015)7月に初めて参加したNHK杯全国高校放送コンテスト全国大会の報告です。

楽しく充実した大会期間でした。どんな日々だったのか? 顧問の視点で振り返ります。

7月20日(月・祝) 総合受付
 新幹線でいざ東京へ。お昼に着いてまずは秋葉原へ。3時半まで自由行動にしました。みんなヲタクの聖地を楽しんだようです。顧問はガンダムカフェで3倍辛いシャアザクカレーを食べてのんびりしていました。その後、会場に向かいましたがJR秋葉原の駅で男子3人が満員の電車に乗り損ねるというトラブル発生。大都会の洗礼を受けましたが無事に次の電車で合流。
 4時半ごろ会場の国立オリンピック記念青少年総合センターに到着し総合受付と宿泊受付を済ませました。夕食後、7時半よりチーム兵庫の研修会。番組研修会では最初にウチのラジオドキュメント「親孝行~受け継ぐ思い~」が紹介されたそうな。代表の山さんによると「録音がきれいなんでどうやって録ったのか」なんて聞かれたと。ヤマハの4chミキサーとSM58マイクの基本セットをタスカムのICレコーダーにキャノンでつないだだけです。はい。顧問と朗読部門出場のくるみんは個人部門研修へ。今年の個人部門は出場24人のうち武庫女が8人、小野が6人、松陰が3人。すでにこれで17人なのです。そして、伊丹北2人、龍野2人。残りは加古川南と篠山鳳鳴、そして我が伊丹西のくるみん。24人出場なのに8校だけなのです。このことがどう影響するか? というと… 指導する顧問の人数も限定されます。番組も出場している場合そちらに行かれる方も多く、実質的には5、6人しか顧問がいません。さらにアナウンス、朗読に分かれますのでそれぞれの部屋には2、3人しか顧問がいないという状況でした。顧問の私はそりゃ朗読の指導に入りましたが「えっ? 顧問こんだけしかおらへんの?」というプレッシャー(笑) でも、1人でも多く準決勝へ! という気持ちでアドバイスします。全国大会の研修ではあまりクドクドと言わないようにしています。気になったポイントと上手いと思う部分を端的に伝えるようにしています。この期に及んでイントネーションがどうだこうだとダメ出ししてもしょうがいないと考えているからです。とにかく思ったのはみんな上手い(笑) もちろん、ウチのくるみんも含めて。研修会終了後、宿泊棟D棟1階でミーティング。10時半ごろに終わってそれぞれ部屋に戻りました。
 こんな1日目でした。個人的な話になりますが顧問の私は毎年Nコン全国大会には来ています。出場できなくても県の視聴覚部会の事務局長時代は宿泊の世話係などの裏方として同行していたのです。その後も休みをとって準決勝だけは見学に来ていました。そして、夜にオリセンを1人で離れるときに悔しさや虚しさでいっぱいになるのです。次は絶対に生徒を連れてくるぞと誓って… そして、ようやく部員とオリセンに来れたわけです。感慨深くひとりウルウルきてました。振り返れば猪名川高校の30回生世代でテレビドラマ部門に出場して以来、11年ぶりの参加です。久しぶりに味わう充実感でした。

 
7月21日(火) 準々決勝
 いよいよ準々決勝。朗読のくるみんはC会場の19番。集合時間は11時ごろ。兵庫県部屋で読みの確認をしました。間の取り方や音の高低を準々決勝用に少し派手な演出になるように調整。50人中の10人に残らなければ準決勝には進めません。埋もれないように目立とうと練習をしました。受付をすませて会場入り。私は1番から点数をつけながら発表を聞いていました。そして… 「19番!」よし、しっかり声もマイクにのってる。間の取り方もいい。そして得意のセリフ。情景が浮かんでくる。いいぞ、最高の読みだ! 20番を終えての入れ替えで会場を出ました。大丈夫、間違いなく準決勝レベルの読みだと確信。くるみんにも伝えました。会場にはくるみんの両親も来られていました。ちゃんと挨拶しとかなきゃ。次はラジオドキュメント会場に行かなきゃならないので残りの発表は聞かずに会場を離れました。昼食会場はどこぞのテーマパーク並みの大行列。並ばなきゃ食べられないのでひたすら待ちました。
 ラジオドキュメントは必休みを挟んですぐのA会場21番。山さんが前で番号と学校名、作品名を言うのですが開会式に出ていないので要領がわからない(笑) 前の20番の学校さんの真似をしてそつなくこなしてくれました。番組は無事に流れました。私の横に座っている高校生のメモがチラリと見えましたが「よくまとまっている」なんて書かれていました。なかなかの好感触。
 発表後、くるみんのご両親に再度挨拶をしたり部員にいくつか指示を出したりした後で再びラジオドキュメントA会場に戻りました。30番から40番を聞きました。これがなかなかの粒ぞろい。気になったのはウチよりも音が大きい作品が多い。ウチもかなり音量バランスには気をつけています。CDに焼く直前に音声ソフトのデジオンサウンドで全体の音量を適切なところまで上げています。いちばん気にしているのは音が割れないようにということ。いくつかの学校さんの作品を聞いていると音が明らかにウチより10%程度大きい。明らかにレッドゾーン連続であったり、微妙に音がつぶれていたりしているように思えます。でも、審査員によってはウチの作品を録音レベルが低いと感じるかもなぁと少し不安を覚えました。内容的には深刻なものが多い。素材のインパクトでは負けてるなぁと思いつつ、発表が後半のものほど上に抜けやすいという客観的な事実も踏まえて一抹の不安に駆られたわけです。ウチの身近なところから話が広がっていく構成力としっかりしたナレーションや少ないながらも絶妙なBGMをうまい! と感じてもらえるかやなぁ(自画自賛(笑))と祈るしかありませんでした。その後、テレビドラマのA会場に移動。15作品ほど見ることができました。
 夜は研修会2日目。さらに少なくなる個人部門の顧問の人数(笑) 朗読チームの進行はなぜか私がしています。なぜだ? この日は翌日の決勝課題の練習を中心に行いました。そして、この日がこのメンバーで集まる最後の機会ということもあり全体の集合写真も撮りました。ミーティングはC棟3階の談話室にて。各会場に分かれていた部員に「これは!」と思った作品を報告させました。みんな意識高くメモを取りながら見学していたようです。10時半ごろにミーティングが終了。でも1、2年女子はそれに飽きたらず11時半ごろまで作品の内容や制作手法について語り合いました。充実した話し合いでしたが眠いぞ。
 

 
7月22日(水) 準決勝
 そして準決勝。顧問の私は県の準決勝進出者の発表係なのです。県で最初に決勝に進出できたかどうかを知る立場になります。朝の8時半に決勝進出者の結果を本部でもらい、配布会場に行きました。会場に入るまで怖くて見ることが出来ない(笑) そして、座って確認。
 ((+_+)) あぁ… 伊丹西の名は準決勝進出のところにはありませんでした。どーんと落ち込みながらも冷静な振りをして16校の出場校の代表者に資料を渡しました。伊丹西のくるみんにも。配布を終え部員のもとに行きましたがすでに各会場に分かれておりすでに姿はありませんでした。ベンチに座ってじっくりと結果を確認。テレビドキュメント部門はなんと出場8作品すべてが準決勝進出。ずっと練習に付き合ってきた朗読チームは12人中7人が進出。そのほかも多くの学校が準決勝に進みました。だからこそ大きくなる悔しい思い。何が足りなかったのかなぁ、と。気持ちを少し落ち着かせてからテレビドラマ会場のロビーで10作品ほど見ました。レベルの高さに驚愕。しかし、伊丹北と龍野の兵庫の2作品も負けていません。十分に決勝進出の可能性ありと見ました。
 昼食を抜いて午後は朗読会場に張り付きました。7人の兵庫勢の読みをしっかり聞きたい、そして決勝に進む10人が誰かを予想しながら。やはりレベルは高いのですが中にはあれっ? と思うときも。くるみんにもここで読ませたかったなぁ。くるみんの方がうまいけどなぁ、なんてちょくちょく思いながら。終了後の講評はNHK日本語センター副センター長の渡部英美さん。非常にわかりやすくためになる内容。疲れているはずの会場の雰囲気も素晴らしい。会場にいるみんな。放送が、朗読が好きなんだね。
 夕食後にあった兵庫県の顧問の先生方との交流会。ベテランの先生方より興味深い話がたくさん聞けました。みなさん熱い情熱を持っています。たくさんの優秀かつ情熱的な先生方の存在こそが兵庫の強さの理由であると実感します。そして、翌日の決勝の入場券を融通しあいました。ウチは部員と顧問で13人。50番台の入場補助券で残り1人入れることから、入場できない生徒がいる伊丹北高校さんの部員と一緒に入ることになりました。
 その後に部員たちとミーティング。準決勝には進めなかったものの1、2年生中心に部員たちは各会場でしっかり見学していました。昨日に続いて印象に残った作品を発表させました。

 
7月23日(木) 決勝
 決勝の朝、朝食抜きで6時40分出発。歩いてNHKホールに向かいます。天気はあいにくの雨。25分ほど歩いてNHKホールに到着。入場券の列に並びます。確実に先に入場できる白い入場券4枚は3年生が1,2年女子に譲ってくれました。来年につながる後輩たちに優先的に入ってもらいたいという気持ちからです。入場列に並ぶ後輩たちのために先輩たちは朝ごはんを買いに行ってくれました。8時15分ごろに開場。しばらくして1,2年は入場。1階席の前から7列目くらいという神席(笑) 早起きした甲斐がありました。
 入場補助券での入場を待つ残りの9人に加わった伊丹北の1人はテレビドラマ「その女、スパイにつき」の制作の重要な役割を果たした3年生でした。いろいろ興味深い話を2人ですることができました。映像のすごさに目が奪われがちなその作品の音響効果の素晴らしさに注目していたのですが、なんとその音響責任の立場だったとのこと。聞けば聞くほどマニアック。部活動の域を越えてますよ、お前さん。でも、真似しよう、盗もうと思い、いろいろ話を聞きました。いつの間にか雨もやみ近づく決勝進出校の発表時間。入場の番号はなかなか呼ばれません。伊丹北の彼のもとに連絡が来ます。そして、見事にテレビドラマで伊丹北決勝進出! その後、発表校のリストが会場校にも貼りだされました。伊丹北のほかにも兵庫からはアナウンスと朗読で小野、ラジオドキュメントで啓明、テレビドキュメントで宝塚北と川西緑台が決勝進出。恐るべきチーム兵庫。そして恐るべき兵庫1地区。県大会の予選かよ、と突っ込みたくなる結果であります。驚いている中で番号が呼ばれ入場できました。座席は3階席の上の方、且つ端の方(笑) でも、入れるだけましですね。
 個人的にも決勝を見るのは久しぶりです。やはりNHKホールの雰囲気は独特。このホールを味方につけた作品が優勝します。当初の下馬評とは違った結果になったことも数知れません。兵庫の作品はどれも素晴らしいものです。どれも優勝の可能性ありと見ました。午後のアナウンスと朗読の発表の緊張感も久しぶりに味わいました。このステージにくるみんを立たせることを目標にやってきましたので少しばかりの悔しさも感じながら。Nコン企画のテレビ作品の代表者がステージに呼ばれてのコーナーでも兵庫県勢の存在感が抜群。今回は兵庫の力を見せることができたなと感じると同時に来年に越えなければいけないハードルの高さも実感。すでに来年を見据えて恐怖も感じました。
 そして結果発表。隣に座る伊丹北高校の彼はもう落ち着きません。ハーハー言ってます。結果、テレビドキュメントで川西緑台が優勝、伊丹北も優勝。涙を流し雄叫びを上げて伊丹北の部員のもとに走っていく彼。よかったね。ああ、優勝するってこんな感じなんやな。遠くない将来に味わいたいな。自分も。
 終わってから記念写真。外でミーティング。3年生部員はこれで引退。私から感謝の気持ちを伝えました。そして、新体制発表。会計はまなちゃん。副部長はきよ君。部長はみいちゃん。3年生が話し合って決めました。私はこの決定に関わっていません。全国に連れてきてくれた先輩の後を継いでやるべきは全国の準決勝進出。気持ちを新たにしてNHKホールを後にしました。
 その後、NHKスタジオパークを見学し、渋谷公会堂近くのファミレスで夕食を食べ、駅前のスクランブル交差点へ。自由時間の後、バスでオリセンへ移動。ミーティングを終えて10時前には部屋に戻りました。私はその後、ツイッターやメールでいろんな人とつながっておりました。はい。自分へのご褒美のお酒を飲みながら。

 
7月24日(金) 
 東京最終日。お台場まで連れて行ったあとは自由行動です。東京での友人と会った人。ガンダムのプラモデルを大量購入した人。池袋のアニメイト本店へ行った人。フジテレビで遊んでいた人。みんな最後の東京を楽しんだようでした。私はガンダムフロント東京に行った後、等身大ガンダム像へ。その後、待ち合わせた友人と食事と会話を楽しみました。
 その後、新幹線で兵庫県へ無事に帰りました

 
 今回のNHK杯の番組制作に協力してくださったみなさん。朗読やアナウンスの指導に協力してくださったみなさん。本当にありがとうございました。この全国大会の経験が部員たちの今後の人生に大きな価値を持ったものになったことは間違いありません。これから始まる新しい世代の活動も同じく実りあるものになるよう努力したいと思います。
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